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7.30

『ソレイユのこどもたち』

日中の暑さと湿気が本気で無理なもんでレイトショー公開がありがたい、奥谷洋一郎監督『ソレイユのこどもたち』 を夜な夜な見に行ってみた。
東京、多摩川の東京湾に流れる河のうえで、ボロボロのモーターボートを修理しながらそこで生活しているひとりの老人を映すドキュメンタリー作品。監督の前作『ニッポンの、みせものやさん』のようなナレーションや状況の説明的なものは一切ないが、このおっちゃんの酔っ払いキャラや周りの人たちがなかなか濃く、川魚をめっちゃ器用に捌くこの人を見てるだけでも十分面白かったりしたのだが、東京にこんな場所があるとは今まで知らなかった、河の片隅に突然現れるモーターボートの墓場みたいな荒れた場所を眺めながら時々カメラに向かって話す自分の過去(でもどこまでほんとかは謎)と汚い街にきらきら光る静かな夕陽と轟音で鳴り響くモーター音がなんとも感動的……と思って見てたら、後半、ドキュメンタリーとは思えぬまさかの衝撃の展開にかなりうろたえてしまった。
タイトルのソレイユとはこのおっちゃんと一緒に暮らしている雑種犬の名前で、おっちゃんの傍を常にうろちょろついて回る姿がなんとも可愛いんだけど、色々あって、最終的にソレイユちゃん、あばらが浮き出るほどにガリガリに。その姿がショック過ぎて冷静な映画の感想が考えられなくなってしまったのでした。無念。
ドキュメンタリー映画にこんなことを聞くのは野暮だとわかりつつ、これはこの後、おっちゃんとソレイユのこどもたちは大丈夫だったのでしょうか……。