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8.03

『不気味なものの肌に触れる』

監督の御好意により、濱口竜介監督最新作『不気味なものの肌に触れる』を、試写で拝見させてもらう。ありがたや。
先月行われた関西でのプロスペクティヴでは既に一般上映されたとのことだけど都内では初お披露目試写だそうな(資料には40分とあるけど実際は60分弱の作品になってました)。
一応のストーリーらしきものは、多分関東近郊の街に住むらしい主人公と同級生とそのガールフレンドと、兄と兄の恋人が、話したり踊ったりしてる間に色んなことが大変な事態に!としか説明できないんだけど(噓、もっと上手に伝えられる人はいると思います)、冒頭から、過去の作品に映っていた美しい朝焼けからは一転、とにかく不穏な空気が漂いまくりの怖いけど実に魅力的に撮られた河を舞台に、若い男と男と女たちが、そっちへ行くのかこっちへ来るのか、 触れるのか触れないのか、キスなのかキスじゃないのか。見ながら、この不気味な映画に触れられそうで触れられない、すっごい面白いけど何この気持ち悪い感じ(いい意味で)ともぞもぞしていたら、なんとも衝撃的な結末が。事前にまったく情報を持っていなかったので、このラストには「え!」と声が出そうになるくらい驚いてしまったんだけど、でも、これを見てしまったらこれからも濱口監督作品を見続けるしかないでしょう、と次回作を楽しみにせざるを得ない罠にまたうっかりはまってしまった。しかも今までのフィクションともドキュメンタリーとも全然似てない作風で、じゃあ次はどんなものを見せてくれるのかと期待に胸はふくらむばかり。
と、映画的に感動したのはもちろんなのですが、主人公演じる染谷将太くんと友人演じる石田法嗣くん(まーちょっと見ないうちにかっこよくなって!)が不思議なダンスを練習するシーンが繰り返しあるんだけど、その若くて美しい肉体(基本上半身裸)が、普通に萌えます。一見の価値ありまくりの60分でございました。満足。