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10.09

『甘い鞭』

日が出てるうちは暑くて行動できないという夏シフトの生活から中々抜け出せないもんで、平日のレイトショーに石井隆監督『甘い鞭』を見に行ってみたら、レディースデーだったのは偶然なんだけど、主演の壇密効果か女性客が多くて、中々新鮮な風景であった。
しかし、TVでしか壇密を知らない観客や、彼女のエロシーンを期待した男性客はあっさり裏切られる本作、ハードなSMプレイを中心とした男女の絡みはエロいのを通り越してグロテスクな程本格的で、今回もやはり壇密の身体を張った芝居は素晴らしかった。 でもあの胸はやっぱり。
高校生の頃近所の男に拉致監禁され一ヶ月間ベッドに繋がれたまま犯され殴られた経験を持つ32歳の女性、昼間は産婦人科医として真面目に働くも、夜は高級SMクラブの人気M女として活動、果たしてそれは過去の経験がどのように影響してるのか…。この現実と過去の交錯がなんともスリリング、ショッキングなSMシーンも途中からあまり気にならなくなるくらいふたりの女性に引き込まれてしまった(若いパートを演じてる間宮夕貴クンがまためちゃくちゃ良い)。最後の長回しとあのラストには痺れた。ただ、ずーっと流れるナレーション、すっかり母親の声(中島ひろ子)で、それで母娘関係が説明されてるってことかと思い込んでたら、クレジットで喜多嶋舞の声だとは予想外で驚いてしまった。
壇密さま、普通の演技が下手ってわけじゃないけど、私くらいハスキーなのも問題有りだとは思うがやっぱり高音過ぎる声はなんとなくアタマ悪く見えてしまうのがやや残念か。出演中はずっとマスクしててちゃんとした顔は一度も映らないのに、諏訪太郎のうざいS男っぷりが半端なく、さすがだなと感動した。