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11.02

『おしん』

意識したわけじゃないけどSMAP出演作が続く、冨樫森監督『おしん』
TVドラマ版は83年放送当時平均視聴率52%と言われてもリアルタイムで見た記憶はほとんどないもんで、ぼんやりと、小さい女の子が意地悪なばばあに苛め尽くされる話、くらいのイメージしかなかったのだが、映画はそうでもなかった。ピン子めっちゃええヤツやったし。
とにかく、おしんに次から次へと災難が降りかかるのは確かだが、結構早いうちに恵まれた奉公先に身を置いて落ち着くもんだから、この映画の落としどころをどうするんだろうと勝手に不安に見てたのですが、最終的に女性と労働というテーマに収斂されてって、まあこれはこれでいいのかと。
まあ、冒頭のワンカット目から、このままおしん吹き飛ばされるんじゃねーのと思うくらい猛吹雪の中をひとりで歩く小さな女の子、演じる濱田ここねちゃんの演技に素直に圧倒され、演技が上手いガキとかのレベルじゃなく、ハーモニカを吹きながら船に揺られて故郷をあとにする姿は最早ダンディですらあり。彼女のこの頑張りを否定するほど私も意地悪ばばあじゃございません。もちろん、落ち着いた冨樫監督の演出も良かったです(制約があったのかもしれないけど、おしんの裸を絶対に前からは映さないのには感動した)。
ただ、田舎にいるはずの母親が華やかな街できれいな着物を着て男と歩いてる姿を見て、おしんはすべてを悟ったような絶望的な表情をするんだけど、学校も行ってない小娘がいつのまにそんな性教育を受けたんだとちょっと突っ込みたくはなった。まさか満島弟が。あとやっぱり、貧困な両親が稲垣吾郎と上戸彩ってのは、つるつるし過ぎで兄姉ぐらいにしか見えなかったかな(これは、何もしなかった慎吾ちゃんの勝ちかと)。あの時代設定に一番マッチしてたのはガッツ石松。
しかし一番の懸念は、どう見てもインド人が見にきてたけど、あの方言と日本の心は理解できたのだろうか……。