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11.10

『そして父になる』

この数日で、久しぶりにがっつり風邪をひいてみたり、かと思えば人生最高レベルのアクティブさを発揮して高尾山に登ってみたり(日頃の運動不足が祟って、本気で命の危険を感じました)。そんな最中にもやっと見た、是枝裕和監督『そして父になる』
なんとなく事前に知ってた、取り替えっ子の物語ってことなので、なんとなく勝手に、福山雅治演じる父親が今まで育ててた子どもに血の繋がりがないと発覚しても改めて人として「父になる」というそのことに重きの置かれた話なのかと思ってたら、単に、今まで仕事人間だった福山が家族と過ごす時間も大事だと気付いたりして、ちょっと子どもと大はしゃぎして遊んでみたり、いきなりテント作り出したり(でもキャンプに行く時間はないから家の中に作ってみたり)するって話で、どうでもよ過ぎて泣けた(福山のキャラは本当になんのひねりもないステレオタイプな勝ち組サラリーマンなんだけど、そいつの乗ってる車がレクサスで、それだけはすごい腑に落ちた。今どきの勝ち組はせめてアウディ乗ってて欲しいし)。
と、どうでもいいことはどうでもいんだけど、どーしても許せないのは、大人の勝手な事情のために、ある日突然それまで生まれ育った家から引き離されてその辺の他人に「パパとママって呼んで」と交換された6歳かそこらの子どもたちに、どんなけ酷いことしてるのか、わかってるのかしら。最終的には生みの親より育ての親ってオチになるとしても、その数週間はその子にとっては取り返しのつかないくらいのトラウマになると思うんですけど、そこになんのフォローもなく涙ながらに「父になる」とか言われても、お前にそんな資格ねーよとしか感じられませんでしたとさ。あの展開、本気で意味わからんかった。
一箇所すっごいウチの近所でロケしてるシーンがあって驚いたのと、電気屋の謎のジンガイ客がちょっと面白かったのはよかったです。