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12.03

『42 世界を変えた男』

確かにいい映画だとは思ったけど、さすがに地味過ぎないかブライアン・ヘルゲランド監督『42 世界を変えた男』
黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンについて実話を元にした映画って言うから、差別や偏見と闘う若者のわかりやすいサクセスストーリーのスポーツ感動作を想像してたら、彼が初めて大勢の人の前で活躍するプレイは盗塁とボークからの得点、そのあとも基本的に盗塁で活躍、主人公自身も白人からどんなに酷いことを言われてもひたすら黙して耐える。なので大した事件も起こらず、地味に映画は進む。彼をメジャーリーグに呼び込んだドジャースの社長も、めっちゃいい人ってことはわかったけど、話してることゴッド寄り過ぎて今イチぐっとこないし(ハリソン・フォードに似てるな、と思ってたら、ハリソン・フォード本人だとクレジットで気付いた…)。それでも呆気ないほど粛々と最後のホームランへと進んでいく、トンデモなのか大作なのか謎なバランスと、みんなおとなし過ぎて主人公が誰かよくわからなくなってくる感じは、『インビクタス』を思い出したりした。だからもちろんつまらないわけはなく、まんまと泣かされもしたし、結婚式や子どもの流し方や代理監督の意味わからなさとかには笑いすらしたんだけど。
でもこの映画を見るまで今でもメジャーリーグに「42」の日があることを知らなかった(しかし、42である意味も全然わからんかった…)ので、見てよかった。ラスト登場人物たちの現在が字幕で説明されるくだりでファンの子どもが登場したところで、自分でも不思議なくらい落涙してしまった。ピュアでしょ。