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12.09

『いとしきエブリデイ』

どんな内容か一切知らずにマイケル・ウィンターボトム監督『いとしきエブリデイ』 を見てみて、でも見ながらも何なんだこの映画はと混乱させられて。
映画自体は、イギリスの郊外を舞台に、どうやら父親が服役中らしい一家、彼の出所を待つ妻が雨の日も風の日も毎日ひとりでせわしなく4人の子どもたちと生活したり面会に行ったりちょっと浮気したりしてる姿を映してるだけの地味なものなんだけど、その子どもたちが明らかに映画の中で年月を重ねて成長してて(具体的な時間経過の説明は一切なし)、ドキュメンタリーにしては演出され過ぎやけどこの子どもたちが作られてるとも思えず、どうなってるんだと。見終わってから調べてみたら、両親役はプロの役者だけど子どもたちは実際の兄妹で、その家族を映画にするために5年も撮影にかけたそうな。で、そんな手間ひま掛けて出来上がった映画がこの華のなさって、すごい面白かったわけじゃないけどやっぱりウィンターボトムさんって憎めないなあと、ウィンターボトムの映画を見たあとにいつも感じる妙な幸福感が今回も。やたらと大袈裟な音楽も最初は今イチかなと思ったけど、終わる頃にはこれでいいのかと思わせられた。
しかしとにかく、就学前のガキを4人連れて雨の日に電車に乗ったりする母親の姿を見てると(しかも夫は刑務所って。ねえ。)、改めて自分の母の偉大さを痛感したりしたのでした。