BLOG

12.13

『ペコロスの母に会いに行く』

夏頃一度試写で拝見したときにマスカラが落ちまくるほど十分に泣いたので、二回目はもうちょっと落ち着いて見れるだろうと森﨑東監督最新作『ペコロスの母に会いに行く』 に劇場に再会しに行ってみたが、計算は大いに狂い、ラストを知ってるもんだから逆に今回は冒頭から泣きっぱなし、終盤には涙の筋でファンデーションが落ちるほど涙してしまった。わかってたけど、やっぱり、凄い映画だった。
認知症の母と暮らす若くはないハゲ息子、病気が進行していく中消えていく現在と蘇ってくる過去、そこに見てる私自身の時間も重なって、最終的にはもうどっちでもええわという逞しい母親の姿にただただ感動。本気で楽しめる笑い有り涙有り、そこにはっきりと長崎もあるけれど、ものすごく恋する女の映画だったんだと再見して気付けた(なんと初見ではあの橋のシーンで泣き過ぎて、最後の原田貴和子にすら気付けてなかった……)。
今作で初主演映画世界最高齢としてギネス記録になった赤木春恵がとにかく素晴らしいのはもちろん、この岩松了は改めてかなり良い。そして息子役の大和田健介くんもめちゃくちゃ好感度大だし、唯一評判がよろしくない竹中直人だって、二回目だとなんか許せた。加瀬亮の遺影にはやっぱりちょっと笑ってしまった。
ここまで、特に変わったことをするわけでなく、老若男女楽しめて(実はかなり過激な中身だとは思うけど)、映画にうるさい輩も黙らせて、で感動させる完璧な映画、本当に久しぶりに見た気がする。まだまだ公開中なので、万が一まだ未見の人がいると言うなら、騙されたと思って一度は見とくべきなのです。