12.20
『かぐや姫の物語』
御門、アゴしゃくれ過ぎじゃね?
という感想が一番心に残ってしまった(顔の半分アゴやったぞ)高畑勲監督『かぐや姫の物語』 、監督が相変わらず反資本の共産主義ってことは強く伝わったけど、私が元々の「竹取物語」を正しく知らないせいか、どうも興奮しきれず。
田舎から都に連れてこられた姫の、籠の中の女の子としての苦悩や屈辱をもうちょっと突っ込んでくれてもよかったんじゃないか。登場する男たちがとことんどこまでも最低なのはまあいいけれど、見ながら、諸悪の根源は、都に来て権力とカネに浮かれてしまったじーさんなだけで、なんでこいつの犯した罪を、かぐや姫が死まで覚悟して一身に背負ったまま、帰りたくない場所に行かされなあかんねんとイライラ。救われるかと思った男は妻子持ちやし、姫不憫過ぎ(いっそ彼と空を飛んでるところで終わってもよかったんじゃないかしら。全然「竹取物語」じゃなくなるけど)。そこに唯一の理解者としての母親の活躍も弱過ぎたか。これだと、結局女は黙ってることしかできない、と見えなくもなくなってくる気が。お付きの女中みたいなのは可愛くてよかった。
もちろん、姫の心情と共に繊細に変化する色彩や、筆っぽい絵でしか表現できないだろう見事なアニメーションには素直にすごいなあと楽しんだ。やっぱりアニメの色はあれくらい地味じゃないと、最近のは予告見てるだけで無理。