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1.09

『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』

それはそれは大変美しく素晴らしい映画でございました、ジム・ジャームッシュ監督最新作『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』
どうやら何百年も生きてる吸血鬼らしい遠く離れて暮らす男と女、アダムとイブが主人公(蘭世と真壁くん的な)。冒頭から、かっこいい音楽、かっこいい車、アナログなマシーン、オタクを感じさせる細部、と、男ドラキュラのだらしない甘えん坊っぷりが、完璧に男の子の映画だなあと微笑ましく、だから完璧にどこまでもロマンチックで、123分ひたすらくらくら酔っ払った。そして見ながら、夜行性&血が不足すると輸血&髪の毛ぼさぼさ、って、私はかなり吸血鬼に近い生き物なんだと勝手に親近感を抱いてみた(途中で現れる妹ドラキュラのうざいくらいのやんちゃっぷりはウチの猫みたいだったし)。そしてこの映画を見て、吸血鬼って意外と人間臭いんだってことと(死ぬんだもんね…)音楽業界の男の血はまずいんだと学習できた。
と、難しいことは今年も相変わらず全然わからないんだけど、とりあえず、映画の中で、オサレなクラブでシュっとした男女がサングラスつけて寄り添ってる姿を、本気でかっこいいと思わせるなんて、ジャームッシュ60歳でマジですげーなと呆然とした。 
観賞後にパンフレットを見て初めて知ったけど、いつのまにか山下敦弘監督って日本のカウリスマキからジャームッシュになってたんですね。ゾンビ。