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1.12

『祭の馬』

午年になったのでようやく、松林要樹監督『祭の馬』を見た(『相馬看花』は未見……)。
福島第一原発近くで飼育されているお馬さんたち、震災以降放射能汚染により行き場をなくし、でも福島県相馬に戦国時代から続く「相馬野馬追」という神事のために頑張って生きる、馬メンタリー。その中でメインの登場馬であるミラーズクエストくん、試合に全然勝てないうえ震災後におちんちんが感染症になって、真っ赤に腫上がったままぶらぶらしてる姿はだいぶ痛々しい。どこかもの哀しげな馬の瞳や、何かを訴えるような鳴き声に、思いを馳せるのは人間の勝手で、馬は本当に何も感じてないのかもしれない。けどやっぱり、被災して餓死したお馬さんたちの写真は正視できないほど辛いく、人間のバカ!と言いたくなるのは仕方ない。でも、こんな大きな動物の世話をする人たちを今更超リスペクトもした。
春夏秋冬、恋したり北海道に連れてかれたり(フェリーから出たとき、凍死したんかとめっちゃびっくりした)時間は流れているようで、相馬野馬追は数百年時間が止まったように昔と同じことが行われていて、原発事故は巻き戻されて、でも馬がぱっかぱっかと草原を疾走する姿はいつ見てもほれぼれするほど美しい。