1.27
『DressingUP』
オーディトリウム渋谷さんで絶賛開催中のキノトライブKINOTRIBE2014 にて、安川有果監督『DressingUP』(12年)を鑑賞。
実は作品を拝見する前に監督御本人とお会いする機会があったのですが、その印象が本当に、完璧な敬語使いが冴え渡る礼儀正しいナイスガールだったので、映画もそんな感じなのかなと思っていたら、びっくりするくらい裏切られた。まさかのホラーテイスト。
幼い頃母親を亡くし、父とふたり暮らしをしているらしい中学生の少女、一見内気な主人公がじわじわと、文字通りモンスターと化していく。その理由が、彼女の内面の問題とかじゃなく、「病気」の一言で済まされてるのが大変よろしい。不穏な雰囲気の中、不意に現れるブリーフ隊、合唱の声。かなり隙のない演出力も、山崎貴の数百倍は腕が上手と断言しよう。
主演を演じる祷キララちゃん、映画が進むにつれ目に見えて顔が変わってきてて、すごくいい。最高に頼りない父親を演じる鈴木卓爾もよかった。私の実家は天王寺駅の真横です。
しかしラストへの展開を見ながら、86年生まれのヤングにしてはちょっと落ち着き過ぎなことが残念なくらいの完成度だなと思っていたら、監督の次回作はその反省を踏まえかなり弾けたエロコメディになっているとのことで、かなり期待。(『DressingUP』は30日17時からも上映されるので、よければ是非)