BLOG

1.31

『エレニの帰郷』

まさかシネコンでアンゲロプロスが見れる日が来るとはねえでもこれが遺作ならそんな日来なくてよかったとひとりでぼーっと感慨にふけっていたからかチケット売り場で有り得ないミスをしてしまい受付のおねえさんにご迷惑をかけかけ、テオ・アンゲロプロス監督『エレ二の帰郷』(08年)をほぼ満席の劇場で鑑賞。
過去の作品はほとんど見てる、はずだけど、タイトルと内容がごちゃごちゃになってしまってて、どの主人公がエレニでエレニじゃないかも曖昧なまま見たら、映画の中でも、どの時代のどこの国のどのエレニさんなのかよくわからないことになっていて、最近認知症(記憶ごちゃごちゃというか)映画流行ってるのかしらと思ったくらいに、この重厚な歴史の流れを自分が理解できてるとはまったく思わないけれど、その圧倒的な美しさと力強さをただただ堪能。さすがの感動でございました。
もちろん相変わらず、群衆はぞろぞろと前を向いて歩いてるんだけど、あの赤の広場のシーンで人の顔がはっきり映るのにはなんか震えた。いくら私が不勉強とはいえ、バイクの青年たちがいきなり喧嘩を始める展開は、本当に意味がわからなかった。老人の絶叫って、予想以上に怖い。ラストカット、ちょっと笑った。

そしてこの映画は、クラッシックからロックから流れる音楽がとにかくすごいし、細かい音もかなり面白いことになっているので、シネコンの上質なスピーカーで体験することが重要かと。ひとまず東映さんに多謝。