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2.06

『MUD』

マシュー・マコノヒーの主演作を見逃すわけにはいかぬと、ヒューマントラストシネマ渋谷さんで開催中の「未体験ゾーンの映画たち2014」 にいそいそ向かい、ジェフ・ニコルズ監督『MUD(マッド)』(12年)を鑑賞。
監督の前作『テイク・シェルター』より全然良い、めちゃくちゃ面白い、けど、配給会社が一般公開を踏みとどまるのも納得の地味さ。見ながら、撮影中によくこの作品が面白くなると確信を持てたなと感心してしまうほどの地味な画面の連続。でも130分まったく退屈しない。78年生まれの監督さん。
はっきりした年代も場所もわからないアメリカ、川沿いの貧しそうな郊外に住む、特にグレてるわけでもない、どこにでもいそうな普通の14歳の少年ふたりが、無人島で恋人を待っている謎の男に出会い、少しだけ愛と孤独について学習していく。コピーには「現代版スタンド・バイ・ミー」ってあるけど、そういうわかりやすい青春モノを期待すると裏切られるでしょう。たいして熱くもない。でもちゃんとふと瞬間じーんとくる。
最近の中では比較的まともな役だったマシューも、それでも存在感自体がいかがわしくて素敵。そして主演を演じるふたりの少年の生意気そうな面構えがとにかくいい。いっちょまえにバイク乗ったり女の子口説いたり、こういうのに弱いタチでして。キレた母親が父親の帽子を奪い取るアクションは秀逸。