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2.28

『エヴァの告白』

見ながら、マリオン・コティヤールが真木よう子に似てるなとは思ったけれど、真木よう子にジャンヌは無理かとも思ってしまったジェームズ・グレイ監督『エヴァの告白』。原題の『THE IMMIGRANT』まんま、1921年ポーランドからニューヨークに移民としてやってきた女性の物語、ひとりの女を巡ってふたりの男が戦うメロドラマでもあるけれど、とことん静かで、とことん面白かった。
か弱そうに見えて実は強かな、ということはかなり普通の女ってことなんだけど、そんなエヴァがただひたすらに、不幸な理由で離れてしまった妹との再会だけを夢見て、男に傷つけられても、親戚に裏切られても、警察に狙われても、敬虔にアメリカで生きていく。その姿の美しいこと。ジェームズ監督といえばなんとなく男の世界なイメージだったけど、45歳にしてこんな女の映画を作ってしまうなんてちょっとすご過ぎだべ。世の男性監督は爪の垢くらい頂いた方がいい。バナナのシーンだけでちょっと泣きそうなったし。
もちろん霞んだ自由の女神から始まる画面もいちいちかっこいいし、モノクロでもないのに黒の黒さが痺れる。懺悔部屋は、もうちょっと防音してやれよと思ってしまったけど。そして誰か、いい加減ホアキンくんを映画の中で幸せにしてあげて。

そしてお知らせ。只今オーディトリウム渋谷さんで開催中の濱口竜介プロスペクティヴinTokyo にて、3月6日(木)19時20分の回上映終了後トークイベントに参加します!お相手はなんと松田広子さん!!相当緊張してる私のためにみんな来て下さい、よろしくお願いします!!!