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3.09

『大統領の執事の涙』

ついこないだまで『ペーパーボーイ』なんて頭のおかしな映画を作ってたくせに、次はしれっとヒューマン感動ドラマを撮ったりするんだから、やっぱりアメリカ映画はようわからんと思いながらリー・ダニエルズ監督『大統領の執事の涙』 を鑑賞(と思ったら『SHAME』の監督がアカデミー賞穫るんだもんね。なんでもありか)。
7人の歴代大統領に仕えた黒人執事の感動のストーリー、を装ってやっぱり一筋縄ではいかず、実際は白人の元で働く父親とそれに反発する過激派な息子(ブラックパンサーの構成員だったりする)を巡る親子の物語で、ケネディ暗殺の瞬間はめっちゃあっさりしてるのにKKK登場のシーンはやたら気合いの入ったホラーだったり、クレイジーな感じは隠しきれず。ジョン・キューザックがニクソンって時点でおかしいし。アメリカでは人気スターらしい妻を演じる女優さんの存在が妖怪にしか見えないし。
だから、悪いとは思わなかったけど、黒人の苦悩と父親の苦悩がどっちつかずでちょっと中途半端な気がしてしまい、最後のオバマがやや強引に感じられたのがやや消化不良。次回はまたやっぱり思いっきり狂ってほしい。
しかし『ペーパーボーイ』でのニコール・キッドマンほどじゃないけど今回はマライア・キャリーがやたらとおかしな役を演じていたり、最後まで気付けなかったけどレニー・クラヴィッツが重要な役を演じていたり、監督さんは妙な人望がある方なんだろうな。