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3.14

『グロリアの青春』

セバスティアン・レリオ監督『グロリアの青春』 、具体的な情報をほとんど持たず嵐の中ふらふら見に行ってみたけど(チリの映画だと途中で気付いた)冒頭の平均年齢高めなクラブシーンから『アメリカン・ハッスル』と同じ曲が流れて、それだけで良い映画〜とほだされ、結果的にもぼちぼち素敵な作品でした。あと10分短かったらもっと好感度上がった。
主人公は、特に冴えてるわけでもないアラウンド60のバツイチ女性グロリア、音楽とお酒とタバコが好きな彼女の、色々あるようでないようであるような日常が繰り返されるだけの話だけど、これが今どき珍しいくらいのまっとうな青春映画で(原題は大胆にも『グロリア』だけど…)。だって青春ってこれくらい情けないもんでしょ、そしてこれくらいたまにはかまさなきゃやってられないもんでしょ、と年齢関係なく納得できる作品。もちろん、酔っ払って調子に乗り過ぎて連れにマジ切れされて最終的にやっぱ孤独、な主人公(猫派)を見ながら個人的に心が痛まないわけはなかったけれど、肉体はたるたるになっても、老眼鏡は手放せなくても、生きてるうちはたまには浮かれたいもんです。私もいつか男に向けてエアガンくらいぶっ放したいもんです。
それでも最後に独りなグロリアが不幸とか可哀相とかには全然見えない(人生賛歌、ってのとはまた微妙に違う気がするけど)、これを40代の男性が監督してるって言うんだから、中々。