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3.17

『激写!カジレナ熱愛中!』

完成を楽しみにしていた安川有果監督『激写!カジレナ熱愛中!』 をポレポレ東中野さんのレイトショーにて鑑賞。
ピークを過ぎた売れない女優カジレナ(梶並玲奈)、自分とセックスした男が全員不幸になっていく事実に悩み続けるも、有名映画監督がカジレナと不倫が原因で急死したニュースをきっかけに「本物のさげまん」として世間で話題になり、仕事も増え、イケメン俳優の彼氏もできて幸せになる、でもそれじゃあ自分の話題性がなくなってしまうという新たな悩みが生じ……。監督の前作『Dressing Up』とは全然違った雰囲気の作品、他人の口からこんなにも「さげまん」って言葉を聞く機会も滅多にないだろうと思うほど連発されてました。もちろん着信音になってるのも初めて聞きました。
内容の突飛さからついコメディ映画なのかなと思いそうになるも、一瞬で人間関係を巡るシリアスなドラマになったり、エッチな映画になったり、でも爆笑できたり(吹き出すコーラの天丼がツボだった)、72分がモノ足りなく感じるほど。女優であるひとりの女の生き様として、「わたしの人生、ドラマみたい」というコピーの意味が理解できるお話の展開が見事、ラスト、ベタな火サスばりに崖から身を投げようとするカジレナが、無茶苦茶な人間だけどそれでもやっぱり逞しく生きていこうとする姿は感動的でありました。
上映は今週金曜日まで、若い女性監督の描いた痛快な女性映画、みんなも見るべし。