『トロピックサンダー』なんて大傑作を撮ってしまったあと次はどうするんだろうとずっと気にしていたベン・スティラーの新作を、予告を見てちょっと不安な気持ちになりながら見てみた『LIFE！』 。これがもう素晴らしくて。
宣伝では、同じ日々を繰り返す冴えない中年が一念発起して新しい人生を歩み出す感動ストーリーみたいな感じで、事実そういう側面でも十分感動できるんだけど、それ以上に、 戦場に行っても映画撮影を止めなかった愛すべき映画バカたちの物語を描いた『トロピックサンダー』から、今度は、このデジタル時代にフィルムそのものを現像するひとりの男の物語になっていて、こんな映画を作るベンに途中から泣きっぱなし。白髪も増えてだいぶ歳とったなーと思ったけど、めちゃくちゃかっこいいし。スケボーするとかずるいし。そろそろジム・キャリーと再会してほしい。
写真雑誌「LAIFE」の会社の中の左右対称な世界から、海へ火山へとむちゃくちゃなロードムービーの世界へ変わっていうく画面も面白いし、爽やかにサッカーするショーン・ペンの姿もきれい。だいたい、『バレンタインデー』以降シャーリー・マクレーンを見ただけで泣ける。