4.10
『白ゆき姫殺人事件』
えらいヒットしてると聞いて、近所にふらふら中村義洋監督『白ゆき姫殺人事件』 を見に行ってみたが、なんだかなあ。
地方都市で起こった美女殺人事件を巡り、勝手な憶測がツイッターやワイドショーを通して飛び交い、犯人探しのサスペンスを見せつつ人間の姑息な思惑やネット社会の怖さを訴えてる、のか?これは。二時間以上見ても、ネットの怖さか女の嫉妬の怖さか馬鹿なテレビの怖さか、いじめられっ子たちの友情か、何が言いたいのかよくわからん。女の嫉妬あるあるとしても中途半端。
と言うか、綾野剛演じるチャラくてぱっぱらぱーなTVの契約社員ディレクターが、最低なことをしておきながら最後まで真剣に反省してるように見えないんだけど、この映画自体がこの男みたいなもんなんじゃないのと思ってしまった。ひとりの女を散々追いつめて、作ってるのは自分たちのくせに「これって酷いよね〜」と言って満足してるような。こういうの苦手。
と言うか、前から薄々感じてたんだけど、湊かなえの原作って(ろくに読んだことないけど…)、 何か事件が起こっても最後に誰かがぺらぺらとネタを説明してくれるって展開ばっかりで、全然サスペンス映画に向いてないと思うんですけど。今回も、本人の自首でしかわかり得ない犯人って、面白くない。
主演の井上真央だけが、尊敬する杉村春子を意識してか不美人であることを一生懸命演じようとしていて、「キッズ・ウォー」の頃から見守ってる者としては頑張ってる姿が嬉しかったです(なのでこないだ深夜にTVで見てしまった『僕の初恋をキミに捧ぐ』はプロフィールから抹消した方がいいよと助言したい)。