4.14
『リベンジ・マッチ』
見てる途中、「何このすべてが超好みな感じ」とひとりきゅんきゅんし(別にボクシングジムの娘だからとかは関係なく)、見終わったあと急いで監督名をチェックしたら、なんとあの大傑作ラブコメ『50回目のファースト・キス』の人だったんですね、ピーター・シーガル監督『リベンジ・マッチ』。この人は、アダム・サンドラー主演で『ロンゲスト・ヤード』のリメイクも作ってて(未見やけど…)、今作もそれがなんとなく納得できる、そこはかとなくアルドリッチ感漂う男たちの物語(いわゆるマッチョってのとは全然違う)で、 素晴らしかったです。
寂れたピッツバーグの町を舞台に、既に老人丸出しの元ボクサーふたりが30年越しの因縁に決着をつけるため老体に鞭打ってトレーニングしリベンジマッチに挑む。スタローンの滑稽に見えるほどの愚直さと、デ・ニーロのチャラいヤリチン感がいいバランスで、コメディなのかドラマなのかよくわからない絶妙な空気がよろしい。キム・ベイシンガーの、女の歴史を感じさせる髪のバシバシ感も素晴らしい。もちろん、下世話なギャグと最低な下ネタ(ブロウジョブの下りで笑い過ぎて怒られた)も最高に面白いし、過去の名作へのパロディ、電動車椅子の要介護トレーナーにも笑いっぱなし。
でも、男と男のドラマかと思いきや、男と女の、父と息子の物語としても涙なしにはいられず、最後にはそのすべてがひとつになる感動。マイク・タイソンの演出もぬかりなく。おすすめ。