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5.25

『プリズナーズ』

数日前、公開当時見逃していたというか見る気が起きなかった三池崇監督『愛と誠』(12年)がWOWOWで放送してたから見てみたら、これが想像以上に面白くよくできたミュージカルコメディで、だいぶ感心しました。喰わず嫌いはダメですね。

がしかし、久しぶりに劇場に足を運んで見たドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『プリズナーズ』 がかなり残念な映画で、残念でした。
アメリカ郊外の静かな住宅街で突然行方不明になった幼い少女ふたりを巡り、ヒュー・ジャックマン演じる父親が異常な執念で犯人を追いつめたり、ジェイク・ギレンホール演じる刑事が捜査の途中で別の謎めいた事件に遭遇したり、一見深く謎めいたミステリーのように思わせ、本当に思わせるだけで、意味ありげなカットや伏線のような出来事の連続が最終的に何ひとつ映画として面白く機能してない。典型的な、脚本を映画にするためだけに作られた作品という印象。イーストウッドやフィンチャーみたいな雰囲気を作りたいってのは伝わったけど、ほんまに雰囲気だけなのに、152分はキツい。
最近同じような役ばかりやらされて不憫なポール・ダノがまたオタク少年みたいな役なうえ、物語上でも可哀相過ぎた。かなり好きな女優のメリッサ・レオが、老けメイクで最終的に大活躍なのはいいんだけど、絶対こんなばあさんが銃持ったところでヒュー・ジャックマンなら腕力でなんとかできるやろと、都合のいい展開にはむかついた。