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6.08

『グランド・ブダペスト・ホテル』

公開後初の日曜日、新宿じゃ満席続きだったらしいですが池袋では超余裕でしたよ、ウェス・アンダーソン監督『グランド・ブダペスト・ホテル』
どうやら東欧のあたりにあるらしい架空の国ズブロフカ国に存在した「グランド・ブダペスト・ホテル」に関する物語をひとりの老人から聞く若い小説家が年老いてから書いたその話を振り返る作品を読む少女、って書いてて自分でもよくわからなくなってきたけど、とりあえずメインとなるのは1930年代そのホテルで務めていたベテラン客室係とベルボーイ見習いの少年に起こったドタバタミステリー。内容もめちゃくちゃ面白いし、映画的にもすごいことの連続なんだろうけど、やっぱりとにかく、この監督さんの作品は、画面に映るものすべてが完璧に可愛い過ぎて、そのことにハートを奪われることにまたも終始してしまった。メインとなるホテルの外観のミニチュア、内装の色、マカロンみたいなお菓子、ナチスもどきのマークまで可愛いし、ピンクの箱の中に落ちる若い恋人同士なんて、ずるい。寒そうな空気の中主人公たちが着てる毛皮の提供はFENDIって言うし、ずるい。時代ごとに変わる画面サイズや左右対称感もたまらんかった。
もちろんめくるめく可愛いものと同時に、めくるめく登場する豪華キャストが演じる、よく考えれば情けない男たちばかりの情けない話が、最後にはなんだかぐっときてしまう、ウェスさん趣味がいいだけじゃなくマジええ人〜と感動できる普通に良い映画なのは確実。だし、これは池袋のシネコンのやたらとでかいスクリーンで見た方がいいと思う(そのかわり周りの客のマナー悪めやけど)。