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7.14

『私の男』

先週末は劇団ハイバイの最新公演「おとこたち」を観劇し、そのタイトル通り、前半はお腹を抱えて笑うほど爆笑の連続な内容が、後半になるにつれじわじわと救いのない展開に話が進み、最終的に自業自得としか言い様のない男たちの悲惨なラストを迎える、その戯曲の見事さと、限られた舞台の上で自由自在に移動する時間や場所の演出に大いに満足、久しぶりに面白いもん見たわ〜とテンション上がり、終演後にはもちろん水のエレメントを浴びながらチャゲアスを熱唱したりしたのでした。
で、おとこ繋がりってわけでもないけど、本日は熊切和嘉監督『私の男』を鑑賞。 原作小説は未読だったけどモスクワ映画祭受賞のニュースで内容をネタバレされてしまったので、へえ震災孤児の少女が身内の男とどうこうなる話なのねくらいの予備知識で。
そんな過激な内容に対し、弱冠ハタチの二階堂ふみが、体を張って、頑張りに頑張りまくってるのはわかったけど、トリッキーな芝居が過ぎて、どうも私にはちょっと頭の可哀相な女の子にしか見えなくて、映画自体も、冒頭の震災シーンや濡れ場に気合いが入ってるのはわかるけど、どうも私にはその頑張りの方向がダサイとしか思えなくて。ごめん。
って言うか、非難を承知で言うと、こんな物語、このキャスティング、瓶のコーラって、夏の北九州に対して冬の北海道なのかと勘ぐると、血の雨とかはちょっとねえ。ジム・オルークの音楽はめちゃくちゃかっこよかったけど、ちょっとそれに頼り過ぎな気もした。
浅野たーくんの、相変わらず、本気でこの人何も考えてないんじゃないかと見る者を不安にさせる存在感は素晴らしく、転落していく様には本気で感動した。流氷に流されて小さくなっていく藤竜也は切な過ぎた。北海道の人って自宅でジンギスカンするんだと初めて知った。そんなこんなもカメラのせい。以上。