7.15
『マレフィセント』
すごく考えられた脚本なのかただ雑なだけなのか、今イチ掴みきれなかったロバート・ストロンバーグ監督『マレフィセント』。
おとぎ話「眠れる森」の魔女には実は哀しい過去があり、本当は心優しい妖精だったのに、その出来事によって復讐と怒りの魔女と化してしまった、という物語のもと、最終的には『アナと雪の女王』とまったく同じ、もはや男女間の真実の愛なんてもは存在せず、オーロラ姫を眠りから目覚めさせる「真実の愛のキス」は、成長していく姫と交流していくうち他人を愛する心を取り戻した魔女のキスだった、という展開で、それはすごくいいんと思うんだけど、結局アンジェリーナ・ジョリー演じる魔女の怒りの根本が、「初恋の男に裏切られた」という思いでしかないために、男に囚われた女、という世界からは飛び抜けきれてないような。もう一押しあれば傑作の予感なだけに残念。もの凄い勢いで怒り狂ったアンジーが「男がいかに嫉妬深くて貪欲かお前たちに知らしめてやるわ!」と大暴れするシーンなんかはかっこよかったんだけどね(しかし、いくら男の存在を否定する映画だとしても、男性陣のキャスト、もうちょっとくらいイケメンでもよかったんじゃないか)。
しかしこれも、全体的に奥行きのない画面、妖精たちが飛び回るシーンのアバター風疾走感、私は2Dで見てしまったけど完全に3D仕様に作られた映画だったので、もし鑑賞の際にはそちらがおすすめ。
それにしても、どこまで加工してるのかわからんけど、アンジーの頬のこけっぷりはすごい。こんな見事なフェラ線(安彦麻理絵)初めて見たわ。