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8.13

『ドライブイン蒲生』

真夏のイメージフォーラムに行く、という私の勇気を買って頂きたい、たむらまさき監督『ドライブイン蒲生』
75歳の名カメラマン監督デビュー作、ということで、どんなけ大層な作品なんだろうとドキドキハラハラしていた思惑は完全に裏切られ、逆にこんな爽やかな映画久しぶりに見たわって言いたくなるほど暑苦しくない家族映画で、満足。
地方のドライブインを営む一家、ろくでなしの父親にひたすら反抗するヤンキーの姉と優しいのか気が弱いのかひたすら彼女と共にいる弟の、だからといって父親を殺すほど憎むわけでもなく、都合良く和解するわけでもない、ただ咳止めシロップを飲んでラリったり近所のおっさんにいたずらしたりしてるだけの風景がじゅうぶん面白く。とにかく、主演の黒川芽衣演じるヤンキー娘っぷりの素晴らしさを眺めてるだけでも満足していまいそうになるほどの良さが抜群、今までに出演作は幾つか見てるけどこんなにすごい女優だったのかと今更びっくり。もちろんその周りをうろちょろする染谷将太の小林ユウキチもとても良かったのだけれど。
しかし、その若者の描き方とか音楽の使い方とか、なんでこんなおじさまがこんな若々しい感覚で初監督作を作ってしまえたんだろうと、たむらさんの頭の中が一番びっくり。一度お酒をご一緒したとき朝の8時くらいに私の方がギブアップしてしまった苦い思い出があるけど(たむらさんはその後も飲み続けてらした)、そのとき以上の衝撃でございました。