8.19
『STAND BY ME ドラえもん』
見る前からイヤな予感しかしてなかったけど、見てもやっぱりイヤだった、八木竜一&山崎貴監督『STAND BY ME ドラえもん』3D。
絵柄とか声優がどうこうってのはまあ置いといて、漫画「ドラえもん」の長編アニメ映画(「宇宙開拓史」とか「魔界大冒険」とか)が泣けるのは、普段はドラえもんに頼ってばかりののび太が、映画だと、ドラちゃんや友だちのために自ら立ち上がる少年の成長ドラマだからであって、だから武田鉄矢の曲さえも良く聴こえるのが大事なポイントだったのに、この映画でののび太は、どこまでもドラちゃんの道具に頼ってるだけの本当にダメ男にしか見えない。タイムマシンとタイムふろしきで理想の未来を手に入れられるんだったら私だって西島秀俊との未来を操作するっつーの。
そして、この『アナと雪の女王』が大ヒットしてるご時世に、物語の目的がとにかく良妻賢母で他人に尽くすことが生き甲斐のしずかちゃんとの「結婚」(という言葉がめちゃくちゃ連呼される)という展開には、気味の悪い悪意すら感じた。 ドラきもい。
後半のドラちゃんとの別れは、名作「ウソ800(エイトオーオー)」そのまんまのお話だったので、特に新しい感動もなく。エンドクレジットのピクサー気取りもただサムい。
2100円も払って3Dで見た唯一の利点は、タケコプターの半端ない疾走感を体験できたことだが、それも未来の街の背景に映る車会社の看板と大人のび太の声優を知って、結局大掛かりな広告かよ!と興ざめ。なんだかなあ。