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9.05

『イーダ』

イタリアから帰国早々ポーランドづいてるのに特に意味はなく、パヴェウ・パヴリコフスキ監督『イーダ』を鑑賞。
モノクロ、スタンダード画面に映る寒そうなポーランドのどこか、厳かな雰囲気漂いまくりの修道院に慎ましく暮らしているらしい身寄りのない少女イーダが、 唯一の肉親である叔母に会いに行き、自分たちの秘密や歴史をひも解くふたり旅に出る。ロードムービーとも言えるのかしら。
ポーランドとドイツのあいだに横たわる悲しい事実を背景に、数少ないセリフ、よくできた写真のような美しい画面の連続、これはきっと立派な映画なんだろうなと思いつつも、今イチ乗り切れなかったのは、慎ましい作品のように見せて、彼女たちがユダヤ人であることとか色々絶望した末叔母がとった行動とかそれによって起こったイーダの変化とか、ショッキングな出来事の扱い方がちょっと露悪的というか、悪趣味な感じがしてしまったからか。そりゃそういうこともあるやろうけど、そんないきらんでも、みたいな。ポーランドンの人ごめん。
しかし、めちゃ個人的に、モノクロスタンダード左右対称画面マニアの私としては、この設定でなんで画面の端っこにしか人映らんねん!と超自分勝手にぷりぷりしてた部分も大いにあるので、みなさんが見たら普通にいい映画なのかもしれません、ごめん(尼さんって食事すごい質素なのにみんな結構ぽっちゃりしてるのねと妙な感心はした…)。