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9.16

『テロ、ライブ』

えらく評判がいいので気になって、キム・ビョンウ監督『テロ、ライブ』 を見に行ってみたら、確かにたいそう面白かった。
落ち目のニュースキャスターが自身のラジオ番組内で受けた爆弾犯からの電話をきっかけに、キャスター自身の自分勝手な下心、上司や政府の裏切り、犯人の行動と動機、絡まりまくったそれらが、小さなラジオのスタジオだけを舞台に98分間ほぼリアルタイムで二転三転進んでいく映画は(爆破シーンは音とTVモニターの粗い画面でごまかす)、冷静に考えると細かい部分にかなり無理のある脚本だと思うんだけど、そう感じさせないほどの勢いと演出で、素直に手に汗握って楽しみました。
犯人がテロを起こすに至った動機やその正体も、個人的にはまったく笑えない話だったものの、弱者の怒りとして納得できたのもよかった。この映画が最近の日本映画と比べものにならないほど良くできてる理由は、テロリストが「ゲーム」だなんて下品な言葉を使わないことじゃないでしょうか。
監督さんは80年生まれの若者だそうで、次回作が楽しみです。