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9.26

『ミスターホーム』

都内では本日が上映最終日となってしまった総監督・プロデュース池田千尋作品『ミスターホーム』 を昨夜のうちに鑑賞したら、これがなかなか良い映画だったのでおすすめ。
詳しいことはわからないけど、ENBUゼミナールの学生さんや講師たちで作られた五話のオムニバス映画、なのかな。田舎町の、一目見ただけで圧倒されるほど立派な日本家屋をシェアハウスとして生活する人々の お話、なんだけど、これがただそれぞれシュチュエーションだけを共有する独立した話なわけでなく、ひとりの監督や脚本家が考えた個人的な設定も引き継ぎつつ次の章につながっていく、アメリカドラマ方式ってのが映画では新鮮でした。
どうやらその家の持ち主らしい大家の男と、そこに集う謎の男女や訪問客。映画が始まってすぐに、ああこの人たちちょっとアウトなんだな、ってことはわかるんだけど、どうやら地元の人や身内からもちゃんと気持ち悪がられてて、でもそのアウトな感じを特に奇をてらうわけでもなく、やたらと寄り添うわけでもないぎりぎりの距離感が心地よかった。孤独だの家族だのと連呼するわりには、そういう問題を解決する気なんてさらさらないんじゃないかと思える温度。私も猫になりたい。
撮影や音にも自主映画っぽい貧乏くささがなかったのもいいんだけど、とにかくこの舞台となってる家が凄くて、これだけでも見る価値ありかと。