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10.14

『ジェラシー』

実は先月、まだ本編も見てないのに、っていうか熱心なガレル派でもないのに、池袋ジュンク堂さんで開催された「廣瀬純、フィリップ・ガレルを語る」(聞き手樋口泰人)を拝聴し、シネマの大義党宣言に参加までしたのに、映画館に行けずじまいのままずるずると、で本日ようやくフィリップ・ガレル監督『ジェラシー』を。
なので、これが監督の父親の自伝だとか言われてもよくわからないくらいダメな観客ではあるものの、冒頭のカットからドキっとさせられ、それが77分後の最後のカットに繋がったときにはさらにドキドキ。ただ、天パのモテ男が金も無いのに仕事もせず女にうつつを抜かしていたらあっさり彼女に見切りを付けられたってだけの、どこにでもあるような話なのに、美しいモノクロフィルムに映るフランス人たちのいちいちがじわじわくる(個人的にこんな男絶対イヤやけど)。女が出ていくと言った瞬間、唐突なのに当然のように思える自分勝手の正しさよ。俄然、ほとんど見たことない過去の監督作を猛烈に見てみたくなった。
フランスのガキはませとるなあと感心し、今度から「声低いね」と言われたら「アナ・ムグラリス風なんです」と応えようと思った。