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11.10

『やさしい人』

見たのが結構前なもので詳細な記憶は既にあやふやになってしまっているものの、大変面白かったということははっきり覚えている、ギヨーム・ブラック監督『やさしい人』。その面白さに興奮して観賞後つい飲み過ぎて飲み屋にせっかく買ったパンフレットを忘れてきてしまったことは内緒。
人気ミュージシャンらしい主人公の若ハゲが、田舎町にある実家で父とふたり慎ましくくらいしているとき、とびきり若く可愛い女の子に恋をして結ばれて捨てられて…。
淡々と進んでいくようで、雪が振り落ちる瞬間、ダンスやキスが続く瞬間がたまらなくロマンチック、おっさん頑張れと素直に応援したくなる恋愛映画、が、途中から思わぬ方向に進み出し、あれよあれよと犯罪映画に変身していく、その展開自体もロマンチックと言えばロマンチック。ウチの猫にも詩を嗜んでもらいたい。
今回は、主演のヴァンサン・マケーニュが結構普通の中年男で、フランスの中原昌也感は以前より薄くなったものの、「ロリコン!」と言われてマジギレしてたけど、これは結構誰が見てもただのロリコンだと思うぞ。でもこの映画を見る限り、フランスではハゲってのはさほどマイナス要素ではないのかね。良い国やね。