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11.27

『0.5ミリ』

苦手な監督&女優で196分か…、だいぶキツいな…、と不安を抱えながら安藤桃子監督『0.5ミリ』 を見に行ってみたら、思ったほど悪くなかったけどやっぱりあんまり得意じゃないかも。
介護ヘルパーの主人公が訪問先で事故を起こしてしまったことからカネ無し宿無しになったのをきっかけに、町で見つけた孤独そうな老人を相手に半ば脅迫めいた強引さで無理矢理家に住み込み、家事全般の生活の面倒をみながらの放浪生活を繰り返してく物語。
前半は、ヒロイン演じる安藤サクラのトリッキーな性格や動きが、ほんと新種の妖怪・ヘルパーみたいに見えたり、坂田利夫の存在感が思いの外良かったりで、コメディ風な軽快さが悪くなく、登場する老人(男)のエロさの非現実的なゆるさも含め、ある種のファンタジーとして楽しめなくもなかったのだが、後半になってだんだんテーマが重くなり始めると(津川雅彦の熱演辺りからか)、内容と演出に最近のダメ日本映画っぽさが全開になっていって一気につまらなくなってしまった印象。女が防波堤をゆらゆら歩くのとかいい加減やめようよ、マジで。
しかし今までほんとに苦手だった安藤サクラが、本当に介護も料理も手慣れてそうに見える上手さには感心したし、この坂田師匠の発見には感動できた。東出くんはさすがにカメオ過ぎないか。
それにしても、最低限の生活費だけで料理も掃除もしてくれる居候なんて私もほしいわー、と思いつつ、数年後本気で生活に困ったらこういう生き方もなくないかとちょっと本気で思ったりもしたり。