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1.19

『毛皮のヴィーナス』

冬の日暮れにガラガラの映画館で見るのがマッチしていた、ロマン・ポランスキー監督『毛皮のヴィーナス』。大変おもしろうございました。80歳になられたという監督さん、まだまだお元気そうで何より。
ボロボロの劇場を舞台に、神経質そうな演出家の男と厚かましい女優志願の女の完全なふたり芝居。マゾヒズムの語源だという小説「毛皮を着たヴィーナス」については全然知らないんだけど、小さな空間の中でじわじわと男と女のSとMが入れ替わっていく時間の流れがたまらん。自分のSM的嗜好を真剣に考えたことはないけれど、確かにマチュー・アマルリックみたいなおじさんがいたらちょっと苛めたくなる気はわからなくもない。
そして日本のロリコン男子にはわからないだろうけど、わたしゃこのエマニュエル・セニエという女優さんが以前から好きでねえ。思いっきり男顔なのにめちゃくちゃ色っぽい、さすがに、ガーターベルト姿の精神科医ってのは笑ったけど、今回も素敵だった。
しかしこれはほんとに日本の俳優で(女優はすぐには思い浮かばないが)すぐにリメイクできそうよね。「あなただけ見えない」的な。

雑誌NOBODYさんのウェブサイトにて、2014年のベスト5をちょこっと発表しております。他の方々が真面目なコメントを書かれてる中ひとりだけ結構な場違い感を発揮しておりますが、お時間のあるときにでもご一読を〜。