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2.09

『深夜食堂』

原作漫画も深夜ドラマもまともに見たことないけど、松岡錠司監督『深夜食堂』は、いい映画でございました。ただの愉快なポテトヘッドじゃなかったのね。
新宿界隈にあるらしい深夜だけ開く食堂を舞台に展開する、寡黙なマスターとお客さんたちの人間模様。映画版は主に3つのエピソードが描かれるんだけど、それが単なるオムニバス形式で終わらずに、四季を通した一本の映画として成立してる印象。ひとつひとつの話もとてもいいし。熱演の多部未華子が松坂慶子かと思ったと言えば褒め過ぎか。でも泣けた。震災に関する話で、当事者たちがみんなちょっと嫌なヤツなのも良かったですね。ゴールデン街風のセットもお見事。ただ、向井理はカメオ過ぎないか。
出てくる料理がナポリタン、カレーライス、たこウィンナーとみんなどこか昭和チックで、映画自体や小林薫の男のロマン的なキャラクターも、全体的にノスタルジックなファンタジーだけど、最後の田中裕子でそれでいいのだと思える。オススメ。隣に座っていた映画関係者っぽいおっさんの関係者っぽい笑いのツボがイラッとしました。