BLOG

2.19

『不正義の果て』

たまには真面目に、クロード・ランズマン監督『不正義の果て』(13年)。200分越えのドキュメンタリー映画に平日の午後から結構お客さん入っててました。トイレ休憩はなし。
1938年から7年間、アイヒマンの元で最後のユダヤ人長老として活躍したベンヤミン・ムルメルシュタイン氏、ランズマン監督が75年に行った彼に対するインタビュー映像と、現代ヨーロッパの映像が入り混じる。
218分中半分以上はムルメルシュタインが喋ってるだけの映画なんだけど、このじいさんが凄まじ過ぎて、やばい。血管切れるんじゃないかって勢いでナチ時代の出来事を、恐ろしいほど細かい記憶力で話し倒す。それはもちろん大変勉強になる内容ではあるんだけど、裏切り者と囁かれた自分への自己弁護もすごくって、それにいちいち厳しい突っ込みを入れるインタビュアーとのやりとりの緊張感も半端なくて。めちゃくちゃ面白かったけど、このじいさん親戚にいたらイヤだなと思いました。
過去の強制収容所があった場所を訪れるランズマン、その説明と現代の穏やかな風景との差に愕然とするしかなく、この機会にランズマン映画コンプリートしようと決意。