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3.31

『愛して飲んで歌って』

遺作のわりにはえらい楽しそうなタイトルだなとアラン・レネ監督『愛して飲んで歌って』 を見てみたら、確かにえらい楽しいんだけど、どこまでふざけてんだか、いや自分が死ぬことを意識してたのか、謎に包まれたラブコメ映画でもあったのでした。
一応舞台はイギリスらしいが、登場人物たちが愛して飲んで歌うのは演劇の舞台装置のような鮮やかな空間で、末期ガンになった友人男性を巡り、6人の初老の男女があーでもないこーでもないと大騒ぎ。でも肝心のその友人は最後まで姿を現さない。幾つになっても変わらないガールズトークや男の情けなさにゲラゲラ笑いながら見たけれど、この衝撃のラストを岩波ホールに映画を見にくるようなお上品なおばさまたちがどう感じたんだろうかと思うとちょっと怖い。