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4.06

『恐怖分子』

リアルタイムでは辛うじて高校生の頃『カップルズ』(96年)を公開当時に見れた世代なので、いつかスクリーンで見れる日を夢見ていたエドワード・ヤン監督『恐怖分子』(86年)をこの度デジタルリマスター版でようやく。
絶対に一度ビデオか何かで見てるはずなのに、ほんとに自分の脳味噌を疑いたくなるほど細部をざっくり忘れていて、おかげで初見のようなピュアな驚きを持って見ることができました。面白い、ってのは覚えてたけど、こんなにかっこいい映画だったっけか。こんな映画を30年前の台湾で撮ってしまっていたという事実に、逆にエドワード・ヤンのイメージがちょっと変わってしまった。
鳴り響く銃声、黒電話の呼び出し音、最近じゃ『アメリカン・スナイパー』くらいでしか聞かない大型犬の吠える声、すれ違う男と女と空想と現実、飛び散る分子に震えつつ、これが今『正しく生きる』と同じ映画館で上映されてるって事実も中々の恐怖だなと思ったり。
となると他の作品もスクリーンで見たくなるのは当然だけど、やっぱり遺作のアニメが未完ってのが悔やまれ過ぎる。