6.09
『チャッピー』
予告の時点で萌えてしまったニール・ブロムカンプ監督『チャッピー』だけど、本編を見てみるとそこまで乗れなかったか。かなりトンデモなラストのオチは予想外でびっくりしたけど。
2016年という微妙な近未来、軍事企業で開発された人工知能を身につけたロボット、チャッピーの成長物語(?)。素直な小犬のようにピュアなチャッピーは確かに愛らしく、周りの人間とのやりとりや彼を巡る超大袈裟な戦闘シーンは、まあ、男の子の悪ふざけとして笑って見られたけど、主人公のオタクを「創造者」と呼び優しくしてくれる女性を「ママ」と呼ぶことに誰も突っ込まない感じとか、悪役の発想が、スパイク・ジョーンズ『her』を見たときにも感じた、せっかく未来の最新技術を扱っておきながら、内容的に古臭過ぎるんじゃないかしらと(ハイテクマシーンが手裏剣を使うのはギャグだとしても)。キリスト教はようわからんけどさ。
個人的に苦手だけど、人気スターなはずのヒュー・ジャックマン、よくこんな酷い役を引き受けたなとちょっと感心。ニールさんは怖いおばはんが好きなんだなと思った。