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6.18

ニーさん祭り

平日の昼間からひとりリーアム兄さん祭りを開催できることが幸か不幸かわからないまま、スコット・フランク監督『誘拐の掟』とジャウム・コレット=セラ監督『ラン・オールナイト』 をハシゴした結果、後者の勝ちかと。元アル中の私立探偵な兄さんと、現アル中の元殺し屋の兄さん、安定のリーアム感。と見せかけて、実はボイド・ホルブルックのヤク中祭りでもあったのでした。
『誘拐の掟』の、冒頭のアクションや暗闇の墓地での銃撃戦などは大変かっこよく、やっぱりこのカメラマンいいなと楽しめたり、黒人少年とのやりとりも良かったのだが、全体的に思わせぶり、個人的に、猟奇殺人の犯人がモノホンの異常者だったという話って「はあそうですか」としか言いようがない感じがしてあまり好きでなく(赤いコートの少女が登場する時の音楽はなんだったんだ…?)。それに比べると、兄さんとエド・ハリスの息子を巡るモンスター親父対決の方が見応えがあり。枯れ専的にはエロ映画としても楽しめます(しかしラストのボクシングジムでのシーン、やっぱり実の子どもが娘なのは満足できないのかよとちょっとイラッとした)。
ダークなNYを舞台に、地下鉄のホームやら人混みの球場の中を本当に一晩中走る兄さん。パトカーとのカーチェイスも炎の中での黒人との殴り合いにももちろん勝ち、どこまでも強い。リンカーン役を断ってどこに向かおうとしてるんだこの兄さんはと不安を感じなくもないが、この、絶対に映画の中で幸せになることはなさそうな地味さは貴重か。