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6.28

『みちていく』

HPに載っている応援コメントの豪華さに驚いて、一体どんな映画なんだと竹内里紗監督『みちていく』ユーロスペースさんのレイトショーにて鑑賞。立教大学で万田邦敏監督の指導のもと卒業制作として作られた作品だそうな。
若い女性映画監督による若い女の子たちの物語、と聞くと、思春期の甘酸っぱい自意識過剰系な世界かと想像しがち、事実、女子高の陸上部を舞台に進む物語は、十代の女子特有の不安定な気持ちを軸に進むんだけど、その登場人物たちの不安定さに反して、最初のカットからドキッとするほどの安定感。それが決して嫌みではなく、映画自体との絶妙な距離感としてハマりまくっているのが凄いというか。それが、誰が主役とも言い切れない役者への距離感にもなっていて、女子高生の深刻な悩みが全然しみったれてない。もちろん、「噛む」という行為を通して女の子の肉体と感情が繋がったり離れたり、抱えきれない孤独を持て余す女の子たちの繊細さもばっちり映っていて、そのバランス感覚に感服したのでした。これは見ておいて損はないかと。