9.25
『野火』
実は連休中に見に行ったのですが、公開からだいぶ経ってるというのに老若男女で立ち見続出の超満員でした塚本晋也監督『野火』。大岡昇平の原作は未読。
ほぼ自主製作だという戦争映画、第二次世界大戦末期フィリピンのレイテ島を肺病を患いながらひとりの兵士の姿、何かわかりやすいストーリーがあるわけではなく、もちろん『永遠のゼロ』のような泣かせるムードもなく、地味と言えば地味な映画だけど、ひたすらただ辛い。戦争イヤ、人肉イヤ、当たり前のことを見せられてるだけなんだけど、ぎりぎり露悪的でないバランスになんとか耐えられた。具体的な反戦メッセージがなくてもこれを見て戦争も有りだなと思う奴はおらんやろうから、正しい映画なんだと思います。
監督だけじゃなく体を張って主演もしている塚本監督の激痩せ姿はもちろん鬼気迫るものがあり圧倒的だが、このリリー・フランキーはなかなか。本当に、殺したいほど嫌なヤツがお上手。