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9.27

『黒衣の刺客』

しかくと思ったらしきゃくだったホウ・シャオシェン監督『黒衣の刺客』
唐代の中国、スー・チー演じる女暗殺者とチャン・チェン演じる過去のフィアンセとの哀しき運命を描いたカンフー映画、だったのか?これは。冒頭のモノクロ画面に映るお馬さんからおったまげたことは確かなのだが、見れば見るほどひらひらと重なっていく薄い膜のように、気がつけば今まで見ていたものと違うものになっているような、そして最終的に妻夫木は何だったんだろう…(遣唐使だったんですってね)という疑問だけが残る、不思議な映画だった。いやもちろんリー・ビンビンの撮影や美術照明、そして相変わらず美しいスー・チー様のお姿、スクリーンに映るすべてが震えるほど素晴らしかったんだけど。でも、妻夫木目当て来た客は100パー寝るであろうとも思う。そうじゃなくても内容は掴みきれないしサイズの変化とか言ってくれな気付けないしで一回見ただけじゃ膜の向こうは見えないか。
デビュー当時はでかいうんこが画面いっぱいに登場するような無邪気な作品を撮ってたシネフィル兄さんがこんな恐ろしい映画を作ることになるなんてねえと勝手に感慨深くなったりしました。