10.18
『ディアーディアー』
10月24日(土曜)より、テアトル新宿さんにてレイトショー公開予定の菊地健雄監督デビュー作『ディアーディアー』を一足早く試写で拝見したのでした。
監督の故郷だという栃木県足利市が舞台、「鹿」を巡った過去を背負った三兄妹が、父の危篤をきっかけに久しぶりに地元に集まる。実家の工場を継ぎながらも借金まみれで崖っぷちの長兄、「鹿」のせいで精神を病んでしまった次男、駆け落ち同然で東京に出た末妹、この三人が再び「鹿」と向き合うまでの物語、と書くとなんのこっちゃと思われるかもしれませんが、なんのこっちゃなお話が、主演俳優三人の存在(とにかく役者がみんな凄く良い)と、見ていてまったく不安を感じさせない演出で、いつのまにやら感動的な話に感じられてくるから不思議。でも、笑えるところは笑えて、エロいところはエロくて、さすがベテラン助監督の安定感、と油断しかけると、あ!と声が出そうになる瞬間が訪れる。映画を楽しむ要素に満ちた作品、劇場に駆けつけることを強くお勧め。