4.03
『モアナと伝説の海』
五女モノの映画の中でも偏愛してる『リトル・マーメイド』のジョン・マスカー&ロン・クレメンツ監督の新作と聞けば見逃すわけにはいかぬと『モアナと伝説の海』を週末激混みのシネコンにて。
小さな島で平和に暮らす人々、村長の後継として大切に愛され育てられたモアナは、父に禁じられながらも、「選ばれし者」という言葉に導かれ島の外へ冒険に出る…。
アナ雪で王子様不要論に達したディズニーが、今度は、プリンセス=ヒーロー(=ひとりの人間)であるというメッセージと発したことは非常に感動的で(主人公が男の子だったらどーってことない話)、ココナッツ軍による『マッドマックス 怒りのデスロード』の微笑ましいパロディーも素敵。「選ばれし者」という選民思想に若干の危惧を抱いていたのだが、それもさすがのディズニーさんは上手に回避してくれた。
と個人的には満足なのだが、テーマを語ることに拘りすぎたか(『ズートピア』にも感じたけど)、モアナの世界がちょっとこじんまりし過ぎな点は大人の観客にはちょっと物足りないかもね。自然(海とか山とか)に宿る神とそれを救う少女、ってことで『もののけ姫』との関係について考えようと思ったけど、ジブリ映画に興味がなさ過ぎて無理でした。
とかそんなことがどうでもよくなるくらい、半神半人のマウイくんの全身のタトゥーが動きだすアニメーションの可愛いことと言ったら!これを見るだけでも十分価値有り、と本気で思うんですけど、「原住民」の「タトゥー」が表現としてよろしくないとかいう理由で公式ポスターから消してしまった日本の配給会社さんは、頭おかしいのかな。