4.08
『わたしは、ダニエル・ブレイク』
社会派なので、ケン・ローチ監督『わたしは、ダニエル・ブレイク』を見に行く。
やり手の大工として真面目に生きてきた男やもめのおじいちゃん、心臓を悪くし医者から仕事を止められたため国の援助を申請するもことごとく審査で落とされ…。最終的に、病人もシングルマザーも黒人も男も女も大人も子どもも助け合おうよ!なんでできひんの!とケンさん引退宣言を撤回するほど激おこぷんぷん丸な作品(いや良かったんですよ)。
冒頭から、医療費申請の役所仕事マジむかつくあるあるに深く同意。病気になっただけなのに自業自得やと言わんばかりの連中はイギリスも日本も同じなのねと切ない気持ちに。本当に普通に生活している、そのことを社会が邪魔する。世界中の「ダニエル・ブレイク」の怒りが他人事とは思えず。そのことが大げさな出来事じゃなく、地味なイギリスの片隅を舞台にじわじわと描かれるから逆に切実さが伝わります。フードバンクの出来事はさすがに胸が痛かったなあ。現実はもっと厳しいよ!という声もあるかもですけど。
この映画は劇場で見ると料金から50円が貧困に苦しむ人々の団体に寄付されるそうなので、社会派の人は足を運ぶといいんじゃないでしょうか。私は障害者割引で見ましたけど…。