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4.23

『わすれな草』

予告を見てちょっと気になったので、ダーヴィット・ジーヴェキング監督『わすれな草』を見に行ってみた。ドイツのドキュメンタリー。良かった。
監督御本人の、認知症を患った母親と彼女の生活を支える夫や周囲の人々を記録したドキュメンタリー。病気が徐々に進行していく様、介護が大変な様、施設に入れるか葛藤する様、リアルペコロスみたいやなと思ったら、岡野雄一氏がコメント書いてましたね。
夫と息子の違いもわからなくなる中、母の歴史を調べることによって初めて知る事実の数々。社会運動家としてバリバリに活動していた若き日の美しい姿と、自立したカップルとしての夫婦関係に、今まで隠されていた彼女の想いが明らかになっていく。「現在」を忘れかけてる人の「過去」を知ることで周囲の現在が変わりだすという、不思議ラブストーリー。認知症になったからと言って何かが終わるわけでは全然ないと。
こんな風に家族と繋がれたらいいなと思う一方、母親のことを映画にするくらいなんだからこの監督は相当にマザコンなはずで、そんな息子が映画の中で語られる父親(数学学者)の「反省」をどのように受け止めたんだろと想像するとちょっと怖い(最後の「愛してる」は直接言ったわけではないのよね…)。