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7.06

『ありがとう、トニ・エルドマン』

見る前は162分かえらい長いなと思ってたけど、見てるうちにそのくらいの長さがちょうど良く思えたマーレン・アデ監督『ありがとう、トニ・エルドマン』。これはドイツ映画、なのか?個人的には興味のない父娘モノの物語が、泣けた。
実家を離れてキャリアウーマンとしてバリバリ働く娘を心配した田舎の父が勝手に娘の自宅や職場や飲みの場に現れ、奇行を繰り返し、娘の生活のペースを乱していく。
頭のおかした父親の行動でほっこりと癒されるわけはなく、それが愛の証だなんて思わないし、実際こんなことされたらマジでぶちギレるやろなーと感じながらも、もう若くはない主人公が、パンツスーツで無理してハイヒールを履きウザい恋人を相手にしながら、静かに変化していく様が妙に生々しく(主演女優さんはほぼタメでした)。親子の愛情、なんかに頼ってない映画だと思います。突然の熱唱とか狂気の沙汰の全裸パーティー(あのファスナーの締め方!)に、ああ良かったとなんか安心できた。
40歳の女性監督ということで、次回作にも期待(しかしジャック・ニコルソンによるリメイクはどうなんでしょうね… )。