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12.21

『オレの獲物はビンラディン』

あの『ボラット』の監督最新作なら見逃すわけにはいかぬとラリー・チャールズ監督『オレの獲物はビンラディン』を見たら、大変面白かった上に、こんな馬鹿げた話が実話だって言うんだから、世界にはほんとに色んな人がいるんだなあと。
ニコラス・ケイジ演じる陽気な愛国者ゲイリー・フォークナー(安井豊作似)は2010年、人工透析中に神から「パキスタンにビンラディンを探しに行け」という啓示を受け、それを間に受け、ボロ船で、パラグライダーで、本当にパキスタンまで行ってしまい、CIAも巻き込んで、一騒動を起こす…。現代のドン・キホーテでしょうか。
普通に考えればただの頭のおかしな人なんだろうけど、ビンラディンを本気で探しているということ以外、女性や子どもや友だちにはとことん優しく、パキスタンに行っても現地の人たちとすぐ仲良くなってしまうゲイリーの人柄と知性に、いつのまにかすっかり心を許してしまっている自分がいる(ニコラス刑事のはじけた芝居もすごいけど、最後に映る本人映像がそのまんま過ぎてびっくり)。保守的なアメリカ人が見たらどう感じるのかちょっとわからないけど、さすがよくできたコメディ映画だと思います。オススメ。