12.24
『全員死刑』
予告を見て嫌な予感しかしなかったんだけど、一応小林勇貴監督『全員死刑』を見てみたら、中々色々考えさせられてしまった。
実際にあった、家族4人全員に死刑判決が下った強盗殺人事件を、実行犯である次男を主人公に描いている。ほんとに何もなさそうな地方を舞台に、ヤクザな家族と、数人のヤンキーを巻き込んでの、バカバカしい程最低な人間たち。そこに人間の哀しみだとか怒りだとかのメッセージや物語があるわけでなく、アジア的地方の倦怠があるわけでもなく、ただただ最低なだけ。終始理不尽な思いをしてる主人公が『仁義なき戦い』みたく最後に爆発するわけでもなく、ただただバカなだけ。この映画はそのことにとても自覚的だから面白いんだけど、無邪気に人を殺すヤンキーたちの日常会話に思わず笑ってしまう、その感覚が冷静に考えるとぞっとする。
空族でもなくEXILEでもない地方ヤンキーのリアルと映画とは、機会があれば継田淳さんに話を聞いてみたいですね。
しかし明らかに主演の間宮祥太朗くん(良かった)目当てで来てたキラキラ系女子たちが何を思ったかは謎…。